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3月11日の地震の経済的余震の影響を見極める
Apr. 22, 2011

 

 

R.ターガート・マーフィー

 

スティーブン・ローチ(Stephen Roach)は、日本で起きた3月11日の地震が世界経済に与える影響について、のんびり構えていてはいけないと警告する。彼が批判する視点、つまり世界経済における近年の日本経済の地位低下――世界における輸出とGDPで日本がシェアを落としていることや中国の台頭、そして成長が見込まれる重要な工業製品のなかで日本でしか生産できないものが少ない――にもとづく「狭い視点」の概要を説明したのち、ローチはこの観点から導かれる次のような「表面的な」結論を受け入れるべきでないとする。彼が批判する結論とは、日本は「すでに重要な役割を果たさなくなっており」、東日本大震災とその余波が世界経済にもたらす混乱は「一時的なもの」で「小さい」というものだ。

 

ローチは、この「狭い視点は最も欠くことのできない文脈の検討」、つまりこの最近のショックはグローバル経済がひどく動揺しているときに起きたという文脈を無視していると主張する。特に、金利が世界的に歴史上かつてないほど低いために、中央銀行が通常行われる金利引き下げという金融政策のテコ入れで成長を促すという手段は使えなくなっている。国家経済の規模に対して「大きすぎる財政赤字」のせいで、財政支出による景気刺激策の余地もない。政策決定者に残されているのは、これまで「試されたことがない」「型破り」な手段をとること以外にない。震災直後に日本銀行が実施し、米国連邦準備銀行が実施している量的緩和政策がそれである。

 

ローチのみならず他の研究者も抱く心配は、これらの「型破りな」政策が積み重なって生み出される結果が、ドルや円、ユーロのような基軸通貨の信用を崩壊させてしまうという可能性である。ローチが指摘するように、世界中の家計やビジネスがあらゆる保有通貨を堅実なモノ――土地や、商品、金――なら何にでも変えておこうという動きと共に、「すさまじいインフレという恐ろしい大団円が、現実的な可能性としてぼんやりとしてではあるが急に姿を現した」のである。

 

今までのところ、市場にはこのような兆候は見られない。日本や円に対しては確かに起きていない。実際には、日本および海外の金融当局が警戒したのは、地震後にドルに対して戦後もっとも高くなった円の高騰であって、円の投げ売りではなかった。3月18日に行われた世界の主要中央銀行による協調介入――このような介入は2000年以降なかった――は、対ドル円水準をほぼ震災以前にまで押し下げたが、今週再び円高となった。地震の被害を受けた東北地方を再建するために、日本は海外から数千億ドルに相当する商品や工業製品を輸入しなければならないだろうから、円安に導くことがどれほど日本のためになるのかは判然としない。

 

しかし、急速な円高は政策決定者を驚かせた。これはローチが検討した脆弱性が本当のものであるということを強調する。ローチは、物事を的確に把握することで業績のある研究者である。だから、彼が「日本経済は、近年のグローバル経済に悪影響を与えている深刻な諸問題の多くにおいて、最先端を走っている」と述べ、日本を「我々の将来の実験室」であるとする結論に反対するのは難しい――私も別の論文で同じ結論に達しているのだ。彼は論文の結論で、日本が耐えている大災害のグローバル経済に対する「より意味あるメッセージ」とは、「どれほど(日本で起きた地震と津波がもたらす)これらのショックが世界経済全体をさらに瀬戸際に追い込むのか」と問うことであるという。この問いが意味するところを綿密に熟考する価値がある。

 

 

R. Taggart Murphyは、筑波大学大学院ビジネス科学研究科(国際経営プロフェッショナル専攻)(東京キャンパス)教授

 

次の論文も参照。 Andrew DeWit, The Earthquake in Japanese Energy Policy 訳者:杉山茂(静岡大学教員)

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